1/9 相続・遺言相談事例68

Q:司法書士の先生、母には借金があるようです。相続放棄について今のうちに知っておきたいです。(和歌山)
私は和歌山に住む40代女性です。両親は私が幼い頃に離婚しており、私と妹は母に連れられ和歌山に越してきました。今は私も妹も結婚して家を出ましたので、母はいま和歌山で一人暮らしをしています。

私は時々母の家に行き自宅の片づけを手伝っているのですが、先日、借金の督促状が届いているのを見つけました。簡単には返せないような額の借金があるようなのですが、母の性格を考えると借金があってもおかしくないと思いました。母が生きている間に借金を返済しきれなかった場合、相続放棄をすれば返済を肩代わりする必要はないと聞いたことがあります。司法書士の先生、万が一の時のために相続放棄について詳しく教えてください。(和歌山)

A:相続の開始後、相続人はご自身の意思で相続放棄を選択することができます。
相続と聞くと、現金や不動産などのプラスの財産を引き継ぐことをまず想像されるかもしれませんが、場合によっては財産を相続することで大きな負担を抱えてしまうケースもあります。今回の和歌山のご相談者様のように被相続人に借金がある場合、相続放棄をすればプラスの財産も引き継げなくなりますが借金を肩代わりする必要もなくなります。

遺産を相続(単純承認)すると、現金や不動産などのプラス財産はもちろんのこと、借金などのマイナス財産も引き継ぐことになります。それに対して、相続放棄は相続の権利を放棄することですので、被相続人のすべての財産についての権利や義務の一切を拒否することができます。

相続放棄をした人は、最初から相続人ではなかったものとみなされます。しかしながら、相続放棄によって被相続人の負債が消滅するわけではありません。相続放棄した人の他に相続人がいる場合は、残りの相続人で遺産分割することになりますし、場合によっては下位の相続順位に該当する人に相続権が移ることもあります。その結果、被相続人の両親や兄弟姉妹が新たな相続人となり負債を受け継ぐことにもなりますので、相続権が誰に移るのかあらかじめわかっている場合は、相続放棄の旨をあらかじめ伝えておくなど配慮を忘れないようにしましょう。

なお、相続放棄できるのは相続が開始してからです。親御様の借金が分かっていたとしても、生前から相続放棄することはできません。

和歌山相続遺言まちかど相談室では相続放棄についてのご相談もお受けしております。和歌山で相続についてご不安がある方は、お気軽に和歌山相続遺言まちかど相談室の初回無料相談をご利用ください。相続放棄に精通した司法書士が丁寧に対応させていただきます。

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